意外と知らない! 白い雲と黒い雲のちがいは?
みなさんは白い雲と黒い雲はなにが違うのか考えたことありますか?
黒い雲が雨雲で白い雲はそれ以外の雲くらいの認識じゃないでしょうか。
白い雲が雨雲じゃないっていうのは本当にそうでしょうか?
今回は白い雲と黒い雲について語ってみたいと思います。
1.雲はなぜ白いのか
雲は大気中の水分子が集まって液体(水滴)か固体(氷の粒)の状態になったものです。その水分子の粒の大きさは、小さいものでも1μm以上あるので、*1 可視光の波長(380~750nm)よりも大きいです。そのため光は大気中の水分子に衝突し、進行方向が変えられます。紫色(380~450nm)から赤色(620~750nm)までの光が乱反射(いろいろな方向に反射)して目に届くわけです。ぼくたちはさまざまな光が一斉に目に届くと「白」と認識します。このため雲は白く見えるのです。
*1 …人間が認識できる光のこと
2.黒い雲とは何か
雲が白い理由はわかりました。そうすると黒い雲とは一体何でしょうか?
まずは色における「黒」とはどういう状態か説明します。可視光は下図のように紫、青、緑、黄、橙、赤の順に連続的につながっています(グラデーションになっています)。
この色の中に「白」と「黒」は含まれていませんね。「白」は先ほど言ったように、さまざまな色が一斉に目に届くと「白」く見えるのでした。それとは逆に「黒」とは光が目に届いてない状態をぼくたちは「黒」と呼んでいるのです。
それでは話を戻します。黒い雲とは何でしょう。
答えは分厚い雲です。雲の厚みが太陽光を遮り、目まで届かない状態の雲をぼくたちは黒い雲と認識しているのです。
3.白い雲で雨雲は存在するのか
では問題です。白い雲で雨雲は存在するでしょうか?
じつは存在します。しかも私たちは頻繁に見ています。上の写真の雲はおそらく雨雲です。どういうことでしょう?
答えは雲をどこから見るかです。上の写真は雲を遠くから見ていますね。ではこの雲の真下にいる人にどう見えるでしょうか?おそらく雲の厚さで太陽光は遮られ、黒い雲に見えていることでしょう。つまり、雲は見る場所によって「白」にも「黒」にもなりうるのです。
実はあなたが見ているものもほかの人が見ると違うように見えているかもしれませんね。
おわりっ!